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フッ化物の効果とその活用方法

今回は、私たちの口腔健康に大切な役割を果たす「フッ化物」についてお話します。最近、歯科医院やドラッグストアで「高濃度フッ素」と書かれた歯磨粉を見かけることが増えてきましたね。これは、高いむし歯予防効果が期待できる高濃度のフッ素の使用が厚生労働省から認可されたためです。「フッ素」は、正確には「フッ化物」と呼ばれ、むし歯になりにくい強い歯をつくったり、むし歯菌の活動を抑制する効果があります。今回はこの「フッ化物」について深く掘り下げていきます。

フッ化物とは何か?

フッ化物を効果的に活用するには、まずは基本的なむし歯のしくみを理解することが重要です。むし歯を予防するには、口腔内の歯を“守る因子”と“攻撃する因子”のバランスを保つことが大切です。歯を守る因子をたとえると城を守る城壁で、軟らかい乳歯や生えたての永久歯は城壁が低く、硬い歯は高いと考えればわかりやすいでしょう。一方、攻撃する因子とはミュータンス菌に代表されるむし歯菌や甘い砂糖の摂取量のことです。

ひとこと:むし歯予防は、歯を守る力とむし歯菌の攻撃力のバランスを保つことが大切です。フッ化物はそのバランスを保つための強力な味方となります。

乳歯と永久歯の違い

乳歯と永久歯の違いについても理解しましょう。一般的には生後7~8カ月頃から生えはじめる乳歯や、生えたての永久歯は非常に軟らかくて、むし歯になりやすいのです。その軟らかさは、「電動の鉛筆削りに鉛筆を差し込むと、一気に削れていくぐらい」のイメージに近いそうです。それだけむし歯になると進行も速いのですね。一方、歯は時間が経つにつれ硬く強くなります。

ひとこと:乳歯や生えたての永久歯は軟らかく、むし歯になりやすいです。しかし、時間とともに歯は硬く強くなります。この過程を理解することで、適切なケアを行うことができます。

フッ化物の役割

フッ化物は、歯をコンクリートに見立てると、乳歯や生えたばかりの永久歯は流したての軟らかいコンクリートで、永久歯は時間が経ってしっかり固まったコンクリートだと考えるとわかりやすいでしょう。フッ化物はまさにコンクリートの硬化促進剤のようなもの。はやく硬くて強い歯になるのを手伝ってくれます。

ひとこと:フッ化物は、歯を早く硬く強くするための助けとなります。これにより、むし歯になりにくい歯を作ることができます。

フッ化物の適切な使用方法

では、どのようにフッ化物をとりいれていくとよいのでしょうか。もっとも効果的なタイミングとして、上下の前歯が生えた1歳6カ月頃です。1歳6カ月頃に、歯科医院などでフッ化物の塗布をスタートし、それ以降は3カ月から半年ごとに塗布するのがお勧めです。

ひとこと:フッ化物の塗布は、歯が生え始めた初期の段階から始めることが最も効果的です。これにより、むし歯になりにくい強い歯を作ることができます。

大人の知覚過敏にもフッ化物は効果的

もちろん、フッ化物が効果を発揮するのは、子どもだけではありません。大人にとっても嬉しい効果があります。それが“知覚過敏”や“根面むし歯”です。大人の場合、年齢とともに歯ぐきが下がり、根面の軟らかい象牙質にむし歯ができたり、磨きすぎて知覚過敏になったりするケースがあります。その際、高濃度のフッ化物入り歯磨きや歯科医院でフッ化物を塗布することで、根面のむし歯の予防や進行をおさえたり、知覚過敏の痛みを和らげたりできます。

ひとこと:大人の口腔ケアにおいても、フッ化物は重要な役割を果たします。特に、知覚過敏や根面むし歯の予防には大いに役立ちます。

まとめ

フッ化物は、私たちの口腔健康にとって重要な存在です。乳歯から永久歯への移行期、そして大人になってからも、フッ化物はむし歯予防や知覚過敏の緩和に大いに役立ちます。しかし、フッ化物だけに頼るのではなく、適切な歯磨きや食生活を心がけることが、口腔健康を保つための基本です。フッ化物を効果的に活用しながら、日々の口腔ケアを怠らないようにしましょう。

ひとこと:フッ化物は口腔健康の強力なパートナーですが、それだけに頼るのではなく、適切な歯磨きや食生活も大切にしましょう。健康な口腔生活を送るために、バランスの取れたケアが必要です。